「おこだでませんように・・・」 – 社会福祉法人敬寿会|山形・宮城・東京・神奈川・埼玉|特別養護老人ホーム、介護施設、ショートステイ

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「おこだでませんように・・・」

2018.06.22

「ぼくは、いつもおこられる。いえでも、がっこうでもおこられる」

『ぼく』は妹を泣かせて、おかあちゃんにおこられた。

でも、本当はおかあちゃんが仕事でいないとき、妹に折り紙を折ってあげたのに、妹が気にいらなかったのだ。しまいには、宿題が終っていないこともおこられた。妹の世話をして、出来なかっただけなのに。

学校では、遊びに混ぜてもらえなかった『ぼく』。意地悪されて、ケンカになって相手にパンチとキックをくらわせてしまった。そしたら、先生に「暴力です」とおこられた・・・「おまえなんか、まぜてやらへん」の言葉は、『ぼく』の心へのパンチだと『ぼく』は思う。

 

どうして、いつも『ぼく』はおこられるんだろう・・・。

自分の気持ちは言えない。だって、もっとおこられちゃうから。

おこられると、だまって横を向くだけ。

でも・・・

本当は「ええこ」になりたい『ぼく』。どうしたら「ええこ」になれるんだろ。そして、どうしたら、ほめてもらえるんだろう。本当は、妹みたいにかわいがられたい。

ある日、学校で七夕の短冊を書くことになった。『ぼく』は一生懸命に願いを込めて一字一字を書いた。

『おこだでませんように』

あんまり一生懸命に書いたので「早くしなさい」と怒られながら。

先生に短冊を見せたら、先生はじっとその短冊を見ていた。その目には涙が浮かんでいた。「ごめんね」いつも怒ってばかりいたことに気がつき、泣きながら「ほんまに、いい願いごとやね」と『ぼく』をほめてくれたのだ。初めて『ぼく』の気持ちに気がついてくれたのだ。

 

先生は夜、おかあちゃんに電話してくれた。長い間話した後、おかあちゃんは妹にするみたいに「ぎゅっ」と『ぼく』を抱きしめてくれた。

『ぼく』は思った。「七夕の願い事がかなった」と。

そして、夜布団の中で「七夕様」に「ありがとう、お礼にもっともっとええこになる」と約束した。

 「絵本で楽しむ暮らし」で、武田和子さんに読んでいただいた本「おこだでませんように」をご紹介しました・・・子育て中のお母さんいかがでしたか・・・それでは、また・・・お会いしましょう・・・。


スーパーレディの花

2018.6.21金澤

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